真剣に考えてよ、安倍さん

  いつも思うことだが、安倍首相の語る政策は、きちんと考えられ、議論の末に出てきたものとはとても思えない。

  今日通常国会が召集され、安倍さんによる施政方針演説があった。その内容たるや、自分の思いだけをただ並べただけ。到底議論された上でのものとは思えない。きれいな言葉だけを並べただけで、何をしたいのかがさっぱりわからない。今年が明治維新から150年ということに触れ、「今こそ新たな国創りの時だ」と意気込みを示したものの、どんな国にしたいのかは一切語らない、語れない。

  働き方改革関連法案によって「誰もが能力を思う存分発揮すれば、少子高齢化も克服できる」と言うが、なんで克服に結びつくのか、どういう関係があるのかわからない。「同一労働同一賃金」を実現させるとも言っている。安倍さんの言う「同一労働同一賃金」はどういうものなのだろう。言葉だけが独り歩きして、どんなイメージかは語らない。

  憲法改正を巡っては「国のかたち、理想の姿を語るのは憲法だ」と言ったが、そもそも、憲法は権力を縛る最高位の法律、つまりルールなのである。理想や理念を述べるものではない。そこに書かれた事柄は無条件に守らなければならない事柄なのである。憲法とは何ぞや、ということをもっとしっかり考えて欲しいものである。

  更に、幼児教育の無償化、私立高校の無償化、大学学費の減免、給付型奨学金の拡充と、サービスのオンパレードである。幼児教育の無償化をして、待機児童解消対策はどうするのか。待機児童に対する負担軽減見合いはどうするのか。全体像は全く分からない。

  外交・安全保障では北朝鮮の脅威を前面に出し、日米が連携を強化して対処していく、と強調している。暗に軍事力を強化するために、防衛費を増加すると言っている、

そして、財政再建については、これまで20年度としていた基礎的財政収支プライマリーバランス)の黒字化達成の目標時期を見直し、今夏までに新たな目標時期を具体的な歳出抑制計画とともに示す、と表明した。大判振る舞いの施政方針の下、財政再建に使う予定であった消費税も半分は政策に使ってしまう。お金は降って湧いてくる訳ではない。一方で使いたい放題をして、財政再建用の財源まで使い込んで、安倍さんの頭には、財政再建という言葉は全く無いようだ。今夏に作成するという新たな目標も、どうせ明るい未来の絵に描いた餅で、自分の任期中には使いたい放題で任期後に何とかする、という結論ありき作文が出てくるだけだろう。

  議論が出来ない安倍さんが、議論もしていない内容の無い言葉だけの施政方針を掲げ、懐具合も気にせず、後々の選挙を有利に進めるために使いたい放題使って、大赤字体質を残して「はいサヨウナラ」では一国の総理大臣としてあまりにも無責任だろう。そんなことをする前にさっさと辞めて欲しい。

相変わらず意見交換が出来ない

  核兵器廃絶国際キャンペーン〈ICAN〉」事務局長が求めていた安倍晋三首相との面会を政府が、日程の都合上難しいということを理由に断ったという。相変わらず独りよがりの日本政府の見解、というより安倍首相の意向なのだろう。被爆国である日本の首相として、被爆者に寄り添うことが出来ない。残念な首相なのだろう。安倍さんのいつものパターンで、口先では何とでも言える。しかし、行動は伴わない。

  パネル討論に参加した外務省の役人は、核不拡散条約(NPT)など核保有国も含む枠組みを通じて、日本政府が「地道に核軍縮に取り組んできた」と訴えた。しかし、別の場で、被爆者からは「首相は条約(核兵器禁止条約)に参加できない理由を自信を持って説明できないのではないか。被爆国として本来はノーベル平和賞への祝辞を述べるべきなのに、述べずに逃げ回っている」と見抜かれてしまっている。

 安倍さんには、日本が被爆国であり、現実に被爆して苦しんでいる国民がいるのだ、ということが認識できないのだろう。アメリカの核の傘の下でアメリカの兵器を大量に買い込んで、憧れの軍事大国への道をまっしぐら。一応国内向けに核軍縮に取り組んでいるというポーズはとるものの、アメリカの機嫌を損ねない程度にアリバイ作りをしている程度のこと。真剣に取り組んでいるというなら、意見の異なる相手に逃げ回ることはないだろう。堂々と、自信を持って意見を交わせばいいだけのことである。

  討論や意見交換が出来ない、といういつもの安倍さんの本領発揮である。意見交換をして底の浅さが露呈しないように、初めから意見交換をしないのが得策、ということだろう。外務省の役人が事前の打ち合わせを綿密に行い、会談がほぼ形式的に進められる外国首脳との会談は数多く設定されるが、重要な国際的な組織との会談は設定しない。こちらは役人の事前の設定がなく、殆どその場の真剣勝負になる。これには安倍さんが内容的に議論に耐えられない。従って会談を設定しない、ということになる。情けない。これが日本の総理大臣とは。

言葉は大切です

  安倍政権は毎年のように看板政策が掛け替えられている。地方創生・女性活躍・一億総活躍・働き方改革、更に人づくり革命・生産性革命等々。一体何なんだろう。何ひとつまともに実行された気配はないし、個々の政策の検証がなされた様子もない。次々と看板を掛け替え、国民の目をそらすために、何かやっている風を装っているだけに思える。誠実に政策を実現しようというポーズは見せるものの、腰を落ち着けて真剣に取り組んでいるとは思えない。

  同様のことは、安倍さんが連発する「最重要課題」でも起こっている。デフレ脱却・経済再生・災害からの復興・拉致問題教育再生・子供の貧困問題等々。事あるごとにその場その場で最重要課題を連発しているが、本当に最重要課題だと思っているのですか。最重要課題も連発されて、色褪せてしまいます。そして、それらの最重要課題は今どうなっているのですか。もし、本当にそれらの一つ一つを最重要課題だと考えて取り組んでいるのなら、その途中経過の報告があってもいいだろう。

  最重要課題を連発する安倍さんも、一つだけ最優先・最重要課題と言わないことがある。憲法改正である。安倍さんは憲法改正を最重要課題とは決して言わない。決して言わないからこそ自身の最優先課題なのだろう。どんな重要な課題も順位は憲法改正に優越することはない。安倍さんがよくライフワークであり最優先課題だと言う拉致問題憲法改正に後塵を拝する。

  安倍政権の政策は、憲法改正に向けた実質改憲への歩みか、現実に目を向けないようにと、耳触りの良い言葉を並べた改憲への環境作りだろう。対北朝鮮対応も力づくの経済制裁を選択し、拉致問題解決の対話の窓口は固く閉ざされたままである。

  言葉は大切にしなければならない。最重要と言ったら、何よりも優先させなければならない。それより優先するものは無い筈である。何よりも憲法改正が大事なら、最重要課題は憲法改正であると言い切るべきである。誤魔化しながら憲法改正を最優先に進める安倍さんに、どんな改正でも憲法に手をつけて欲しくない。

  堂々と議論もできないで、言いたいことだけを言っているだけの首相に、現実をしっかり見据えた政治を期待するのは無理だろう。日本がこれ以上変な方向に進まないように、早く辞めて。

戦争をしてはいけない

  ローマ法王が配布を指示した写真。長崎原爆投下の被害者の姿をとらえた1945年の写真で、死亡した弟を背負いながら火葬場で順番を待つ1人の少年の姿をとらえたもの。この写真を、カードの裏に自身の署名とともに「戦争が生み出したもの」という言葉を記載して配布するよう指示を出した、という。

  この写真は、どんな言葉より心に訴えかけるものがあると思う。この写真を前にして現在の政治家は何を思うのだろうか。というより、この写真を見たことがあるのだろうか。ぜひ国会議員全員に配布して欲しいものである。この写真を見て何を感じ、何を思いますか。何も感じませんか。

  まさか広島平和記念資料館へ行ったことが無い国会議員はいないと思うが、もしそんな国会議員がいるなら、直ぐにでも行って欲しい。また、当選した国会議員全員には、靖国神社ではなく、広島平和記念資料館への1年に1回以上の訪問を義務付ける位の事をした方が良いだろう。広島へ行って、当時の惨状の片鱗だけでも見て、何を感じ、何を思いますか。何も感じませんか。それでも戦争をしたいですか。戦争にならないように、と軍備の増強に走りますか。戦争をしないための軍備などあり得ません。

  安倍首相は、年頭の記者会見で憲法改正に強い意欲を示した。憲法改正自衛隊を軍隊とし、自由に戦争の出来る国にしたい、という野望をかなえる第一歩としたいのだろう。現実は、現憲法の中で自分の好き放題に自由に解釈し、今や、現憲法無きが如し状態である。今のままでも、どんどん歯止めを無くしてしまって、普通に戦争が出来る国になってしまっている。この上、憲法を改正して何をしたいのか。というより、今の強引な解釈改憲にはやはり後ろめたさがあり、それを正当化するために憲法改正したいのだろう。

  安倍さんの執務室に是非この少年の写真を置いて欲しい。そして、何のために、今の時点で、憲法を改正しなければならないのか。何が不都合で憲法を改正したいのか。憲法改正することを目的としていませんか。そんなに戦争がしたいですか。

安倍首相が日本の政治を駄目にしている

  困ったことに、日本は議会制民主主義なのに議論が出来ない、議論をしない人が総理大臣になってしまっている。その結果、国レベルの政治では議論をして物事を進めるということがなくなった。

  安倍さんは、議論の場と思われる場面では相手の言うことには耳を傾けず、自分の言いたいことを言うということに徹している。自説を展開するか、相手を攻撃するか、自慢をするか、では議論にならない。議論をして内容を深めていく、ということが出きないのである。本質的に、自説は絶対、少しの修正もあり得ないと思っているのだろう。

  安倍さん自身が議論が出来ないだけでも十分に困った事態で、何とかしないと日本は駄目になってく。しかし、事態は更に深刻で、安倍さんは各種政策や問題に対し、真剣に掘り下げて議論をさせないようにしている。何とか会議や何とか委員会を幾つも作り、自分に考え方の近い人をその委員に任命し、その会議の答申を受けて、議論をしたという形を作っている。これではまともな議論は行われようがない。

  更に、意見が多岐にわたりそうな問題の対処法は、議論を深めるではなく、当該部署の担当者を、安倍さんの考えにまとめられるような人物に差し替えてしまう、という荒業まで使う。お友達内閣の面々だけでなく、内閣法制局長官日銀総裁、NHK会長に至るまで自分の考えに同じような人物に差し替えてしまっている。更に、長期的に日本経済に影響を与える日銀の政策委員も、任期切れと共に次々と入れ替え、今や議論の多様性は失われてしまっている。

  こうして議論が出来ない総理や、その周辺の議論をしない出来ない環境で作られる政策に、どれだけ期待が持てるのだろうか。しかも、こうして出てきた各種政策等が国会で十分議論されればいいのだが、強権的な議会運営で国会審議の形骸化は甚だしく、実質的な審議は無いも同然の状態。政治に議論は不要、とばかりに、議論が出来ない、議論をしない、議論をさせない、で安倍さんの思い通りの方向には進んでいるのだろうが、こんな政治状況では日本はどんどん駄目になる。

  これら議論のない政治状況は深刻事態に陥っているが、それと同様に後世にも多大な影響がある深刻な問題は、重要な政策についての決定過程を、自分たちに都合が悪いと消してしまうことである。憲法上、従来認めてこなかった集団的自衛権内閣法制局が容認に変わった過程について、おそらく局内で議論をしていないので議事録は作れないのだろうが、国会で追及された時には議事録は作っていない、と答弁した。森友・加計問題の時も重要な文書等は、文書保存規定に無かったから破棄した、とか、審議会議事録は要旨を作っているので、詳細な議事録はない、と平然と言っている。今回の天皇退位についての皇室会議ついても、議事要旨は作るが詳細な議事録は作らない、と当然のごとく言う。

  なぜ政策決定過程の詳細を残そうとしないのか。あの時どういう理由で、どのような議論を経て決定されたのか、後世の歴史検証にはなくてはならないものだろう。例え、徹底した秘密主義で重要なことは隠す、明らかにしない、見せても黒塗りの海苔弁にする、であったとしても、決定過程の詳細な議事録は残しておかなければならないだろう。自分たちは歴史を作っているのだ、という認識が全くない。自分達さえうまく切り抜けられればいいというものではないだろう。歴史に空白を作るようなもので、歴史に対する犯罪行為であるといえよう。

安倍政治の長期化で日本が危ない(4)

  巨額の赤字国債残高を抱えている日本の総理大臣として、安倍さんの財政への危機意識はどうなっているのだろう。来年度予算が閣議決定されたが、危機感が全く感じられない。毎年赤字の予算編成であるにもかかわらず、防衛費は増え続けているし、支援団体には手厚く配慮している。その一方で増え続ける社会保障費は伸びを無理やりにでも抑え込んでいる。

  また、国債発行額は今年度より減額した、と胸を張るものの、その一方で大型の今年度補正予算を組んでいる。財源は勿論赤字国債である。安倍政権になって、当初予算では財政再建を考慮しているように見せ、補正予算で公共事業や農業関連などを見えにくいように増額する、というパターンが続いている。

  安倍さんは、総選挙の消費税の増税分の使い道を変更するという公約を実施するので、基礎的財政収支の均衡が、目標であった2020年には達成できなくなった、と言った。これは自分の失政の言い訳でしかない。消費税の使途とは関係なく、達成はほぼ絶望的だったのだ。やる気もないのに自分の失政は認めない、いつもの安倍スタイルである。

  こんな財政状態なのに、選挙の目玉として消費税増税の延期を2回も見送った。ならば代替案はあったのか、というと何もなく、ただ選挙の票目当てだけである。そして今回、増税を実施するかと思えば、半分は借金の減額に使うが、半分は教育や子育てに使う、という。当初の消費税増税分の4分の3は借金の減額、4分の1は会保障の充実に使う、という説明を反故にしたうえに、本来通常予算で行うべき教育や子育てに使うという。明らかに消費税増税分の一般予算への繰り入れである。

  これで、消費税は上がっても見込み通り借金は減らないことになり、まだ予定されていないが次回以降の増税分に上乗せされることになる。その間、国の借金は膨らみ続けることになる。それでも平然としていられるのは何故だろう。借金体質に対する危機意識の欠如である。更に、日銀に国債を買い続けさせるからであり、日銀が物価が上がらないことを理由にして、金利をゼロ近くに抑え込んでいるからである。いずれにしても、日銀を使っての国債の大量発行で国の財政の赤字体質を糊塗しているだけである。

  国債は借金である。誰がその負担をするのだろう。更に、日銀が金利を上げたらどうなるのだろう。1%金利が上がったら国家財政は危機的状況になる。日銀の物価上昇目標は2%である。長期金利は長期的には物価上昇率に収斂していく。ということは、国債金利も2%に近くなる、ということである。すぐに発行済み国債金利が全部2%になるわけではないが、いずれ2%の金利負担となる。その時の国家財政はどうなる。

  赤字財政や累積赤字国債の減少を自分の都合で先送りしている安倍さん。後になるほどその尻拭いは大変になるのだ。国家財政が破綻しそうになっても、その時には自分は関係ない、では済まないのだ。苦労するのは借金だけ残される今の若者たちである。安倍さん、いつまで政権担当しているつもりなの。早く辞めてくれないと、日本が駄目になってしまう。

安倍政治の長期化で日本が危ない(3)

  2025年になると、団塊の世代が全て75歳以上になるという。第二次安倍政権誕生の前に公明、民主といわゆる3党合意で社会保障と税の一体改革に関する合意があり、消費税増税による社会保障の充実と財政再建が盛り込まれた。人口構成の高齢化により毎年増える社会保障費の財源確保と財政健全化の両立をめざした筈である。近い将来避けることが出来ない高齢化社会への対策が重要であることが3党で確認されたはずである。

  しかし、安倍政権になって社会の高齢化への危機感が全く感じられず、社会保障関連の政策は先送りされ、何ら手は打たれていない。消費税は決まっていた1回は実施したものの、以降は選挙の道具として2回実施を見送られた。見込んでいた財源の手当てができないので、社会保障費の伸びを抑えることに注力し、抜本的な改革をしようとしていない。

  社会保障費の自然増には耐えられないので各種項目で減額している。しかも質の悪い減額方法である。生活保護費の減額などその最たるものである。総額が低くなるような計算方式で生活保護基準の見直しが行われ、最大13.7%の減額になった。さすがにこれは減らし過ぎということで、最大5%を超える減額には5%に抑えた。しかし、この減額で総額160億円の減額という。160億円を減額する為に、食費を削ったり、光熱費をぎりぎりまで抑えたりと、ようやく生活している状況の人々の生活を、さらに過酷な状況に追い込もうとしている。

  一方では医療費も減額改定となったが、内訳は薬価を実勢に合わせるように減額し、自民党応援団の医師会向けに、医師や看護師らの人件費や設備投資に回る診察料や入院料などの本体部分は増額した。相も変わらずお友達には甘い安倍さんの本領発揮である。

  更に、安倍さんは、途上国に3300億円規模の医療支援を行う考えを表明している。国際支援は確かに大切であろう。しかし、国内の状況をよく見てみれば、社会の高齢化に伴う社会保障費の増加、社会保障給付の切り下げ、医療費負担のアップ、所得税増税など国民の負担は次第に大きくなってきている。この先何をしようとしているのかわからないが、国民に対する支援を優先すべきは言うまでもないだろう。常々、国民の生命財産を守ると言っているのだから、先ず国民をきちんと守ってほしいものである。