戦前化政策を前面に

  教育勅語を義務教育の道徳の時間に使用することを良しとする、という閣議決定をしたそうだ。ついにここまで来たか、という感じ。いつものように、どういう使い方をするとか、なぜ使うのかといった説明はしない。教育勅語は、戦後、衆参両院でそれぞれ個別に否定し、決別したはずのものである。官房長官はいつものように「問題ない」としか言わず、関係閣僚も「憲法教育基本法に反しない限り使用しても問題ない」としか言わず、どう使うかということは言わない。 国権の最高機関である国会の決議を、更に、従来の内閣の説明とも異なる答弁を、一内閣の分際で、説明もせずに、それを反故にする閣議決定をするとは。

  内閣としては、確かに官房長官の言う「戦前回帰には当たらない」と思っているのだろう。そう、戦前回帰ではなく、戦前化したいのだろうから。次なる戦に向かうという意味での戦前なのだろう。これまで現政府がやってきたことは、自分たちの政策遂行のためには、人事に手を付け、自らの政策を正当化し、強引に通してしまえばあとは知らん顔。世論が厳しければ、説明不足であったかもしれない、国民の皆様には丁寧な説明をしていく、と言いつつ、丁寧な説明など聞いたことはない。最近はそれすら言わなくなっているようだが。そうして、何も言わずに日本という国を再び戦前化していくつもりなのだろう。

  以前は多少なりとも遠慮がちであったように思う戦前化政策も、最近は堂々と大手を振って前面に押し出してきているような気がする。国民の反応が鈍いのを見透かされているようだ。このままで良いのだろうか。