国連からの懸念

  先に、「共謀罪」法案に対し、国連特別報告者から安倍首相に対し、「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」として懸念を表明する書簡が送られた、という報道があった。日本政府としてどう対応するのかと思っていたら、案の定というか、国連に抗議したという。「特別報告者は国連の立場を反映するものではないし、内容は明らかに不適切だ。」とか、「国連で採択された条約締結の為に必要な国内法整備だ。」ということのようだ。国連特別報告者という職名からは国連から委嘱された方で、国連の立場での発言と思うが違うのだろうか。また、条約締結の為、というが、国会審議の中でもその必要性についての疑義に対し、政府としてそれに答えるような明確な回答は出来ていたのだろうか。報道を見る限りでは、それは無かったように思われる。

  現政府の国内向け姿勢同様、我々は正しいことをやっている。それに対して文句は言うな。第三者が国内のことに口を挟むのは内政干渉だ、と言わんばかりである。この姿勢、異なる価値観の国と安倍首相が言う、隣国が言いそうな台詞ではないか。今の日本はそんな国になってしまっているのだろう。

  国連の立場から懸念が表明されたのなら、その内容を丁寧に説明し懸念を解消するように努める。事実誤認があるなら、そうではなく、実際はこうである、と説明する。それが国際社会に対する本来の姿だろう。しかしながら、国会ではそんな懸念も黙殺するように、今日衆議院で採決し可決するようだ。

  国会でのやり取りと同様に、国連特別報告者に懸念を表明されても応える必要はないし、ましてや、そんなことを言われる筋合いでもない。と切り捨ててしまっては、日本という国の非民主性を世に知らしめるようなものだろう。