安倍首相の本音はどこに

  経済財政運営の基本方針(骨太の方針)と成長戦略を閣議決定したという。第2次安倍政権で5回目という。検証もせず毎年のように方針と戦略を作って、何かやっている風を装っているだけ、という感じである。いま日本の経済の状況が客観的にどうなのかはわからない。しかし、諸外国の経済が好調なのに引っ張られて、何もしなくてもそれなりの好調は維持できているのだろう。経済最優先と口では言うものの、その実最優先としているのは特定秘密法など安全保障分野である。安倍首相は最優先という言葉が好きなようで、何かと内閣の最優先課題を連発しているが、最優先課題と言わない安全保障分野が本音なのであろう。

  今年の骨太の方針で、安倍内閣の、というか、安倍首相の本音が見えるような気がする。一つには、昨年まで入っていた19年10月に延期した消費税率の10%への引き上げの文言が消えた。これは消費税はもう一度延期する、という含みなのだろう。20年改正憲法実施の為に、国民投票を、18年秋の衆院選挙か、19年夏参院選挙と同時に実施しようとし、その時に消費税実施の延期を訴える腹積もりなのだろう。前回の参院選でこれで大勝利した成功体験からだろう。また、同日選挙の方が自民党候補の方が得票が多いだろうから、憲法改正賛成票も多くなるだろう、という見込みがあるのだろう。

  もう一つは、財政再建の目標である基礎的財政収支プライマリーバランス)の黒字化の達成が困難になったからだろう、国と地方の債務残高のGDPに占める割合という考え方を持ち出し、これを安定的に引き下げるという新たな表現を加えた。プライマリーバランスの黒字化は国際公約のはずだが、そんなことはお構いなく、おそらく来年の方針では債務残高の対GDP比にすり替えられ、一本化されるのだろう。タガが外れた財政がどうなるか心配である。

  消費税の実施延期と、プライマリーバランスの黒字化の方針変更となれば、将来世代に禍根を残すことは必定である。財政再建は知らん顔し、将来に借金を残しても、目先の自分のことしか考えず、政策を決めてしまって良いわけはない。自分のやりたいことの為には国の将来を犠牲にしてもよい、という感じである。国会運営といい、安倍一強というより安倍独裁という感じのこの頃である。このまま続くとこの国はどうなってしまうのか、不安が増すばかりである。この推定が外れることを願っているのだが。