安倍首相の安直な思考

  安倍首相が訳の分からない思い付きのような発言をした。国家戦略特区を使って獣医学部の新設を加計学園に認めた、という疑惑から目をそらしたい思いからだろう。地域に関係なく、2校でも3校でも意欲のあるところにはどんどん認めていく、と語ったのである。加計学園以外にも獣医学部を認めれば良いのだろう、という発想なのだろうか。

  こうした発想は、安倍さんの改憲発言との類似している。特区を使うということは、先ず試験的に規制緩和し、その効果を検証して全国に広げるかどうか判断する、というものだろう。それなのに、まだ1校目が開校していない段階で、速やかに全国展開を目指したい、などと手続きを無視し、しかも特区を使ったこと、との整合性もない、まさに独善的に決めようというものだ。

  突然の改憲発議の表明も、現状では改憲は難しい、自分の手で改憲したという実績が欲しい、という思いからだろう。それまで党内で議論して作り上げた自民党憲法草案は無視する。公明党や維新の会の賛成を得られそうな項目を取り入れただけの、自作の改憲案を突然言い出した。これも手続き無視、会見草案との整合性なし、で今回と同じ発想なのだろう。

  手続きはどうでも良い。それまでの各種多方面からの検討や議論を踏まえて作成された事などにはお構いなし。自分には関係ないとの立場で、自分のやりたいようにやる、という考えの下で思い通りに決める。これが安倍さんの基本的な考え方のようだ。そこに考えの底の浅さがあるのだろう。

  安倍さんが何事によらず議論が出来ないのも、そこに至る論理の積み重ねがないから、議論をしようにも論拠がない、反論もできない。だから、ひたすら持論を言い続けるか、はぐらかすか、論理をすり替えて相手を攻撃するしかない、のだろう。しかも、そんな自分に気付くこともなく、恥ずかしいことだとも思わないのだろう。国民が期待する長期的な政策課題を持たず、目先のことだけ、自分のやりたいことだけやる。日本の総理大臣としてそれで良いのだろうか