安倍首相の責任感は

  森友学園の籠池元理事長夫妻が、開悦を目指していた小学校建設に絡んで国の補助金を詐取した、として大阪地検特捜部に逮捕された。籠池夫妻の逮捕は、国有地の不当な廉価払下げ疑惑の副産物的に発覚した、国や大阪府への補助金不正申請の内、国への申請にかかるものである。これはこれできちんと裁かれねばならないが、本筋ではない。大阪地検特捜部は別件で国有地の不当な値引きをした、として財務省職員らに対する背任容疑の告発を受理している。籠池夫妻に対する取り調べの中でも、こちらの背任容疑の方もしっかり調べて欲しいものでる。

  一方国会の方はといえば、南スーダンPKOの日報問題で、陸上自衛隊の部隊が作成した日報が、廃棄したとされた後で陸自内で見つかったことに対し、稲田防衛大臣への説明があったか、隠蔽を了承したか、などの疑惑が生じ、特別防衛監察が行われていた。しかし、疑惑の解明は曖昧のまま稲田さんは大臣を引責辞任する、ということになった。ここで、すでに閉会中審査を開く、と合意していた自民党が辞任した稲田さんを国会に呼ぶわけにはいかない、と言い出した。何なんだこれは。またしても疑惑隠しか。稲田さんを呼ばずに閉会中審査を開いて何をしようというのか。

  森友学園疑惑では安倍首相夫人昭恵さん、加計学園疑惑では安倍さんが腹心の友という学園理事長の加計孝太郎さん、陸上自衛隊の日報問題では安倍さんのご贔屓の稲田さん。何れも疑惑の中心人物でありながら、安倍さんに極めて近いという理由で国会には呼ばない、徹底して守る、という一貫した姿勢を見せた。

  安倍さんが何回も丁寧に説明する、と言っても口先だけなのは、この一線を絶対に越えさせない、という強い意志が働いているからだろう。国会でこの点を問われても、国会の要請があれば応じる、とこれまた何回も言っている。しかし、国対レベルで拒否するから間違っても先に進むことはない、と承知の上である。

  本当に疑惑解明に向けて本気で取り組み、国民に向けて丁寧に説明するというなら、これら中心人物を国会に呼ぶとか、官僚機構の中をきちんと調査するとか、これまで避けてきたことをやることだろう。しかし、それをやれば、疑惑が事実に変わる可能性が大であるから避けてきたのだろう。

  国会も閉会しているし、臨時国会も今は開く気はないようだし、安倍さん以下自民党諸氏はこのままほとぼりが冷めるのを待つ、という姿勢のようだ。時間が経てば国民は忘れるので支持率も回復するだろう位に思っているのだろう。安倍政権や自民党が何をしているのか、このことを決して忘れてはいけない。