広島、長崎の原爆の日

 長崎原爆の日の9日、長崎市長が平和祈念式典の平和宣言で、核兵器禁止条約の交渉にすら参加しない政府の姿勢に被爆地は到底理解できないと述べた。一方安倍首相は式典では、核兵器のない世界を実現するために国際社会を主導していくと述べ、条約には触れなかったものの、記者会見では、署名、批准を行う考えはない、と明言した。その後被爆者代表と対面した時には、あなたはどこの国の総理ですか、と問われたが、何も答えなかったという。

  いつものことだが、安倍さんは自分だけが発言できる場面では持論を展開するが、議論や意見が対立する場面では相手の言うことをまともに聞こうとしない。今回のこの場面でも、何故条約交渉に参加しなかったのかを説明することなく、異なる意見に対しては無視で応じた。

  これに先立つ広島原爆の日の6日の広島での平和記念式典では、広島市長は直接的な政府批判の言葉はなかったが、日本政府に、核兵器禁止条約の締結促進を目指し、本気で取り組んで頂きたいと述べた。一方安倍さんは式典では条約には触れず、式典後の記者会見で、条約に署名、批准はしない、と明言した。

  長崎での被爆者の問いに対し、個別に返答は必要ないとは思うが、日本政府としては米国の核の傘に守られているという立場上、核兵器禁止条約の交渉に参加できないというなら、広島市長、長崎市長被爆者代表などを交えた場を設け、そこで条約に対する考え方を説明しても良いだろう。外交は政府の専権事項だから、口を挟むことはまかりならない、というなら、そう言えば良い。被爆地である広島、長崎を代表する市長が式典の平和宣言の中で、共に核兵器禁止条約の締結促進を訴えていることを、もう少し重く受け止めてもいいのではないかと思う。