安倍首相の外交とは

  北朝鮮の動きが最近激しくなっている。ICBMの発射。これに対し国連安保理が、経済制裁決議を採択。この後、中距離弾道ミサイルの発射。水爆とみられる核実験の実施。これに対し国連安保理が新たな経済制裁決議を採択。これに反発し、更なる中距離弾道ミサイルの発射、と続いている。

  日本は米国、韓国と歩調を合わせ、経済制裁決議が採択されるように積極的に動いている。日本は対北朝鮮では米国主導の経済制裁以外に対応は持ち合わせていないようだ。しかし、断交や制裁が相手国の方針変更につながった例はほとんどないという。制裁がだめなら武力攻撃か、となるが、今や武力行使は全面戦争につながりかねない。残るは、話し合いによる外交努力ということになる。

  情勢が緊迫している中、決まっていた外交日程とはいえ、経済をテコに安全保障面で結びつきを強める目的もあり、インドを訪問した。経済面では、新幹線の売り込みも不調、原発の輸出も進展なし。その一方で、北朝鮮による核・ミサイル開発を阻止するため、国連安全保障理事会の制裁決議履行が重要だとの認識で一致した、という。核不拡散条約(NPT)非加盟のインドは実質的に核保有国である。いわば、北朝鮮と同じ立場なのである。そのインドに北朝鮮制裁の同調を求めるとは。

  また、経済制裁に消極的なロシアに対しては、プーチン大統領と親しいと思っているからだろうか、ロシア極東で開かれた経済会議の後の首脳会談で、厳しい追加制裁に同調するよう協力を求めた。プーチン大統領からは良い返事はもらえなかったが、同じく制裁に消極的な中国に対しては安倍さんの積極的な動きは見られない。

  安倍外交の考え方に一貫性があるのだろうか。というより、どういう外交をしようとしているのかわからない。わかるのは、ただ米国の言うことには追随している。米国が急に方針変更したら、おそらく付いていけず、取り残されることになるのだろう。その場しのぎではなく、日本の外交はこうなのだ、というものを見せて欲しいものである。