安倍首相による自己都合解散

  安倍首相が記者会見で正式に28日に召集される臨時国会冒頭で衆議院の解散をすると表明した。解散理由は後付けであることが見え見えで、安倍さんの自己都合解散であることがはっきりした。

  消費税に使途変更と北朝鮮情勢を解散理由に挙げたが、これは解散理由にはならないだろう。「消費税増税後の増収分(5兆円)の使途を、一部社会保障の充実(1兆円)に、残りを借金の返済(4兆円)に充てる」から、「一部社会保障の充実(1兆円)に、幼児教育の無償化と高等教育の一部無償化(2兆円)に、残りを借金の返済(2兆円)に充てる」に変更するという。今まで消費税の使途についての議論など、あの3党合意以降聞いたことがない。唐突に何を選挙によって問おうとしているのか全く意味不明である。※( )内は見込み額

  借金の返済を減らせば、財政再建に向けた政府の取り組みの変更である。国際公約の20年度までの基礎的財政収支の黒字化は達成は困難となると認めたが、黒字化の達成時期についてはこれから計算するという。20年度の黒字化自体、もともと達成困難と言われていたから、これも内容のすり替えで切り抜けようとしている。しかも、将来世代に負担を残さないため消費税の使途を変更して財源を確保する、とした。しかし、使途変更により借金の返済が減ればその分の借金が積み上がることになり、結局幼児教育等の費用を将来世代に負担させるのと同じことになる。

  消費税の増税分の使途を借金の返済以外に振り向けるということは、どんな有益な費用項目であったとしても、見かけ上消費税で賄っているようでも、実質借金で賄うことなのである。従って、これは予算編成上の問題であり解散の理由にはなり得ないであろう。

  北朝鮮情勢についても、何が解散理由なのか全く意味不明のことを言っていた。北朝鮮情勢が国難だから国難突破解散だ、とか言っていたが、何が国難だかよくわからない。危機感を煽ってそれに酔っているのではないか、と思われるくらいである。国難は北朝鮮ではなく、国内にありそうだ。