幼児教育無償化は誰の為?

  安倍首相が国の政策を自分の意のままに動かしている。安倍さんが人つくり革命の会合の中で、先の選挙公約の幼児教育の無償化財源等で、自民党に事前の話もなくいきなり榊原経団連会長に、3000億円の経済界の負担を要請した。安倍さんが自分の実行力を示したいという自己顕示欲から出た行動だろうが、党側の小泉筆頭幹事長は、党は何も聞いていないし、何も議論をしていない。このままなら党は要らない、と記者団に話した。

  これまでの重要法案等でやってきた、過去の議論は一切顧みず、突然自分の考えを表明してきた安倍さんは、またしても卓袱台返しである。勿論中身などある筈はない。突然の要請に対して3000億円を何に使うのかも不明。経団連に要請して榊原さんは容認する考えだが、三村日本商工会議所会頭からは中身がよくわからない。今まで議論してきたこども保険や教育国債との関連はどうなるのか。さらなる負担の発生はあるのかなど、もっと議論をして結論を出してほしい、と慎重な対応を求めた。

  幼児教育の無償化政策について、自民党と経済界の対応はともかくもっと深刻なのは、認可外保育園は無償化の対象外とする方向で検討している、という。『保育園落ちた!日本死ね!』を国会で無視しようとした安倍政権の本性が現れている。安倍さんやその取り巻きにとっては保育園問題などどうなろうとあまり関心がないのだろう。認可保育園に入りたくても入れない待機児童がどの位いると思っているのか。その為にやむを得ず認可外保育園に通わせている家庭も多い。そうした家庭に更なる不公平を押し付けても平然としていられる神経はどこから生まれるのか。

  更に、保育園や幼稚園の利用料を3~5歳児は全員、0~2歳児は低所得世帯に限って無料にする、という。幼稚園についてはどういう基準で無償化するのか。一部裕福な家庭向けの幼稚園などについても無償化するのか。或いは何か基準を設けるのか。一方で認可外保育園の保育料の負担を負わせ、一方ではどんな幼稚園でも無料にする、では幼児教育の無償化は新たな不公平を生みだすことになる。

  思い付きだけで議論もしていないような公約を出だしてはみたものの、内容については考えていない、ということが露見した。今年度末までに待機児童をなくす、という公約を先日反故にしたばかりである。その上に今回の話である。幼児教育についてどう考えているのか、本気で考えようとしていないというは明らかだろう。

  どんな政策であれ、国家の政策として実行しようとするなら、開かれた場で議論をしたうえで結論を得て、それから実行に移すという手順が必要なのは当たり前のことと思うが、安倍さんやその周辺の人たちにとっては、単に面倒な手続きにしか思えないのだろうか。何事によらず議論のできない安倍さんのやること。出来るだけ議論をしない方向で進めたがり、それに待ったをかける人がいないのは困ったものである。