安倍政治の長期化で日本が危ない(2)

  日本の人口が2015年から減少期に入った。これから早い速度で減り続けることになるだろう。安倍政権はこの事態をどれほど深刻に考えているのだろうか。政府は確かに「一億総活躍社会」の実現に向けて「名目GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」を目標に掲げている。すべての人が活躍できる社会が成長と分配の好循環を生み出し、50年後に人口1億人を維持することにつながるからだという。

  しかし、これは安倍さんが毎年架け替えるスローガンのひとつ位の、位置づけだろう。いつものように、スローガンは掲げたもの具体的な施策は提示されてはいない。しかも、GDP600兆円が先ずありきである。GDP算出の計算方式を変えてまで達成したい目標値なのである。いつものように、GDP600兆円達成の実績を自慢したいのだろう。人口減少に歯止めをかけた、というような地味な話には興味がない人である。

  人口減少に歯止めをかけるには出生率を上げなければならない。しかし、雇用が不安定かつ収入が低い、という層が今の若い世代には多い。もはや一人の稼ぎで家計を維持するのは難しい。夫婦共働きで世帯収入を確保しなければ、子育てどころか結婚することも難しくなっている。こうした構造的な格差の解消と、「夫と妻」双方の仕事と子育てが両立した共働き社会、を目指さなければ出生率の向上は望めないだろう。

  格差が拡大している認識がないから、それに対する政策が期待できないとしても、せめて、仕事と子育ての両立が出来るような政策を期待したい。そのひとつが待機児童対策だろう。ところが、この待機児童対策が何とも心もとない。安倍さんは待機児童解消より幼児教育の無償化を先行させた。しかし、深く考えたわけでもない思い付きのような政策で、無償化の対象範囲等詳細はこれから、という状態である。待機児童解消策についても机上の計算位はあるのかもしれませんが、待機児童を何人と見込むのかも明らかになっていません。しかも、建物を作るだけでは解消策にはなりません。それに見合う保育士をどうやって確保するのか、ということが重要になるはず。

  今まで数々のスローガンが出てきたが、何が達成されて、何が達成されていないか。今どうなっているか、これからどうするのか、というような検証作業が行われた形跡はない。いつも目先を変えるように、次から次とスローガンが出てくるだけ。今回も、いつものように、スローガンだけは立派だが、来年になったら達成度の検証もせず次なるスローガンを作るのだろうな、という感じである。