改憲に前のめりの安倍首相

  最近、安倍首相は憲法改正に前のめりになっている。最近の前のめり度合いは、今にも前に倒れそうなほどである。今まで国会で質問されても、総理大臣として答弁しているから、と逃げ回っていた。最近は、国会での質問に、9条の改正についても、勿論突っ込んだ話にはならないが、自分の主張だけは言うようになった。自民党の中でも3月の党大会に改憲案を出そうと、党内議論より先に文案を作成し、取り纏めようとしているようだ。

  なぜこのようなことになっているのだろうか。一つには9月に予定されている自民党の総裁選挙の影響がありそうだ。とにかく、議論しない、出来ない、避ける、の安倍さんである。総裁選に出馬予定の石破さんは、改憲案は総裁選の争点になる、と言っている。総裁選の争点となれば、当然激しい議論の応酬となるであろうから、そうなっては困るのでその前に決めてしまいたいと考えても、なるほど、である。

  一方では、細田憲法改正推進本部長は、憲法改正案はできるだけ早く整理して、国会で審議し、国民投票にかける。案に対して疑問があって、議論が起こると反対論が多くなる。そうならないように誘導していくことが必要だ、と改憲案に対する世論の誘導にまで言及しているのである。

  安倍改憲案4項目の内、9条改憲案について。

  安倍さんは国会答弁で、自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない、と繰り返してきた。更に、国民投票自衛隊明記の改憲案が否決されても、違憲ということにはならない、とも言っている。ならば何故憲法改正して自衛隊を書き込む必要があるのか。この最大の疑問には何ら答えていない。

  自衛隊を書き込む狙いは、書いておけば、自衛隊武力行使の範囲などは、後から解釈改憲で何とでも変更できる、と考えているからだろう。数十年間固定されてきた憲法解釈を、自分でいともあっさりと変えた、という実績を作っているのだから。取り敢えず賛成の得られるような平易な形で改憲案を示しておき、国民投票で賛成を得ればしめたもの。それから、実は、と言って何が出てくるか。安倍さんの本音をよく見極めなければなるまい。安倍さんは今、憲法を自分の手で変えられるかもしれない、この機会を逃がすまい、と全力でいろいろ動いているのだろう。