本当に関与はなかったの?

  27日に森友学園問題で元国税庁長官の佐川氏の証人喚問が行われた。内容は予想された通り、出来上がっていた台本通りに、それぞれの役者は演じきった、ということだろう。佐川さんの答弁は、首相官邸財務大臣等からの指示は明確に、無かったと言い切った。また自身の国会での答弁に瑕疵はなかった、としながら、一方でその他の事項については殆ど刑事訴追の恐れがある、としてほとんど証言拒否した。

  証人喚問については報道の仕方にも問題ありと思う。先ず、知り得る限りではあるが、佐川さんは安倍夫妻や首相官邸、政治家の関与を否定していない。決裁書の改竄については、「指示はされなかったですね。」という質問に、「官邸などからご指示もございません。理財局の中で対応したということであります。」と答えただけであり、関与はなかった、とは言っていない。

  また、土地売買に関しても、売買の進行中の時期は他部局の所属であり、理財局局長になったのは契約の3日前という。土地売買に関しての経緯など知る由もない。従って、答弁は「昨年の国会答弁を通じて過去のものを見ている。その中では一切、総理や総理夫人の影響があったとは、私は全く考えていません。」となっている。これは本人の感想を述べただけで、事実関係を述べたものではない。こうしたことを明確にしておかなければならない筈である。しかし、残念ながらこうしたことを明確にしている報道には接していない。

  一方政府自民党の対応はというと、安倍首相が官邸に入ってくる時の記者の声掛けに対しては、昨日までのむっつり無言で通り過ぎる態度から、にこにこしながら記者に、ご苦労さんと、余裕の声掛けをしていた。また、菅官房長官は、恒例の記者会見で証人喚問について聞かれると、いつにも増して木で鼻を括ったような、素っ気ない対応しかしなかった。政府与党は首相官邸の関与は否定された、と早くも幕引きを図る構えだ。

  ちょっと待った、である。安倍さんは、行政の長として責任の重さを痛感している。なぜこんな問題が起こったのか全容解明する、と語っていたのではないか。何か問題は解明されたのだろうか。いつ、誰が、何のために、そしてどのように改竄に至ったのか。何一つ明らかにならなかった。野党の質問力の稚拙さもあるだろうが、まだまだ幕引きは無いだろう。何より、国会が行政に騙されていたわけである。与党とか野党という前に、国会議員であろう。党利党略に走るより、馬鹿にされた国会の議員だろう。怒ってしかるべきだと思うが、そんな気概は今の国会議員にはないのだろうか。ここで国会での問題解明への動きを止めるようなら、まさしく国民は置いてけぼりである。如何に毎度毎度の口先だけの安倍さんとはいえ、これだけの大事件にきちんと向き合えないとなれば、もはや政治家を辞めてもらうしかないだろう。