議論は不要の安倍流

  沖縄県知事選挙で、米軍普天間飛行場辺野古への移設に反対する県民の意思が改めて示されたのであるが、安倍首相にはそんなことは関係ないようだ。辺野古移設に反対する翁長前知事当選時には4カ月も面会を拒否していた安倍さんは、今回は玉城知事には当選後10日余で面会をした。これで沖縄県民に対する真摯な態度を見せたのだから、選挙後に語った、選挙の結果を真摯に受け止める、はもう終わり、ということだろうか。、

  沖縄県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に対し、行政不服審査法に基づく撤回の効力停止を国土交通大臣に申し立てた。知事選で示された県民の意志は一顧だにされず、既定方針通り進めるだけ、という姿勢である。これは、裁判に訴えると時間がかかるので、国交相が決定を出す行政不服審査法を使って迅速に撤回の結論を出し、早急に埋め立てを開始する、という意思表示だろう。

  そもそも、国の機関が行政不服審査法の申し立てをする、というのはおかしいだろう。この法律は、その第一条に「行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」となっている。つまり、申し立てをするのは国民なのである。

  行政機関がこの法律を使うことは想定していない。ましてや、国の機関が国の機関に対して救済を求めるなど、笑い話の世界だろう。国の機関が、身内からの救済申し立てに駄目出しをすることなどあり得ない。もしあれば、閣内不一致で立ち往生、ということになるだろう。

  それでも臆面もなくこの法律を使ってくるのが安倍首相なのである。恥じることを知らない安倍さんしかこんなことはできないだろう。おそらく、国の機関が使ってはいけないとは書いていない。ここでいう国民の中には国の機関も含まれると解釈し、この法律を使うことに問題なし、としているのだろう。

  自分のやりたいことは、誰が何と言ってもやる。その為には手段を選ばない。議論は不要。これが安倍流。