歴史を毀損する安倍内閣

  安倍内閣は、今上天皇の退位日を決定した皇室会議の議事録はない、ということが分かったという。皇室会議の議事録は作成せず、しかも、後日宮内庁が出席者の記憶をもとに議事録概要を作成したという。皇室会議には、議長の安倍首相のほか、衆参両院議長、最高裁長官、皇族ら10人が議員として出席していた。

  皇室会議の議事録を作成しなかったのは今回が初めてという。この退位日を決める皇室会議では、政府提案の4月30日に出席者から異論が出ていた可能性があることもわかっている。皇室会議でどんな議論がなされ、どういう過程を経て決められたのか、出席当事者のみが知る、ということになった。

  憲政史上初の退位という歴史的重要事項に対し、意思決定の過程が検証できないことになった。政府が提案し、それに対する賛否の意見があり、そこで如何なる議論がなされたのか。そうした過程を後世に検証をできなくする意図をもって議事録を作成しなかったのだろう。政府提案に反対意見があったという事実を歴史から抹殺したかったのだろう。

  歴史的重要事項の議事録が作成されていないのは以前にもあった。憲法9条でそれまで認められていなかった集団的自衛権を、認められると解釈を変更した解釈改憲についても議事録が無く、意思決定の過程が明らかにされていない。この集団的自衛権の場合は、おそらく会議も何もなく、安倍首相からの指示で解釈変更されたものと思われる。そもそも議事録を作るべき会議は無かったから、議事録は無くて当然ともいえるのだろう。

  重要事項の決定に議事録が無いというのは、歴史に対する冒涜と言えよう。次後に、或いは後世の歴史家に、検証されては困るような事柄については、安倍さんは今後も議事録は作るな、と指示していくことになるのだろう。いかに重要な事項でも、安倍さんにとって都合の悪いことは歴史に残すなと。まさに歴史への冒涜である。

  安倍首相は公文書が何の為にあるのかを十分に理解し、その歴史的意義も承知しているだろう。だからこそ歴史を自分に都合のいいように書き換え、安倍晋三は歴史に残すべき名宰相であった、とでも書き替え残したいのだろう。

  安倍政権下では、憲法立法府として国権の最高機関と規定されて、いる国会を、内閣の下請け機関として、立法機能を政府提出法案の承認機関化してしまった。行政府に対するチェック機能も放棄させ、政府の所業の追認機関としてしまった。更に司法にも影響力を行使し、自由に法令解釈を行ってやりたい放題やっている。司法の上層部の人事権を握られているからだろう。最高裁も政権の顔色を窺い、憲法判断はしない傾向になっているし、判決を出す場合も政権寄りの判決になっている。

  安倍さんは、国会を無視し、議会制民主主義を崩壊させただけでなく、先人がこれまで築き上げてきた日本の統治システムを根底から破壊しようとしているとしか思えない。

  自分の名を歴史に残したい。これは安倍さんの悲願なのだろう。その為に先ず憲法改正を選んだ。だから、憲法改正は自分の信念を訴え、党内でも十分に議論し、党の案として国会に提案する、という至極当たり前のことはしない。取り敢えず、多くの賛成を得られそうな形で、一言一句でも良い、条文に手を付けたい、その思いだけで形ばかりの党の改正案となった。最重要のはずの憲法改正案をこんな形で提案しようと試みるとは。

  安倍さんは、憲法改正がなかなか進まない状況の中で、米朝会談が実現し、日本もお裾分けがありそうとなったら北朝鮮拉致問題で直接話をしても良い、と言い出した。その後米朝間に進展が見られなくなると、日朝直接対話の話はしなくなる。その後ロシアから北方領土の一見美味しそうな話が出ると、関心はそちらに移り、前のめりになって一気に北方領土解決に向け、対ロシアに舵を切った。運よく次々に話が出るが、どれも満足に地に足を付けて話を進めることなく、次の話に移ってしまう。

  このような状況はいつまで続くのだろうか。nejimageru