岸田首相は分かりやすい?

 旧統一教会LGBT同性婚、選択的夫婦別姓ジェンダーギャップ等。これらは岸田さんにとって触れられたくない問題である。これらの問題に対する岸田さんの本音はどこにあるのかわからない。だが、これらについて質問されると、正面切って反対はしないものの、決して改善しようとする姿勢は示さない。国会等で質問されると、様々な意見があるから議論をしていくことが必要だ、とまともに答えようとしない。

 最近は言うのが恥ずかしくなったのか、聞く力、と言わなくなった。国民の声を聞く力は無い、というのが知られてしまったからだろうか。これまでの岸田政治からは、聞く力を発揮しているのは自民党内のいわゆる保守派、右派の声は聞き洩らさないように気を配っているとしか見えない。

 岸田さんは政権維持のためには保守派の支持が不可欠と思っているのだろう。保守派が反対しそうなことについては取り組まないか、議論を先送りするか、逃げの答弁に終始するか、である。岸田さんは総理大臣になって何をしたかったのだろう。政治家としての理念や信念は持っているのだろうか。今の岸田さんの姿を見ると、政権維持の為なら自分を捨てても良いと思っているのだろうか。

 岸田さんは総理大臣になっても宏池会会長は辞めていない。宏池会を立ち上げた池田隼人元首相の所得倍増が気に入ったのか、自民党総裁選に立候補した時に令和版所得倍増計画を打ち出した。だが、総理大臣になった途端に資産所得倍増計画に変更した。資産の2文字が付いただけだが、似てはいるが内容は全く別物である。ここでも政治家としての信念が感じられない。

 政治家としての信念はないようだが、一度口にしたことは頑なに修正しない、という信念だけはあるようだ。いまだに資産所得倍増を岸田政権の看板策として推し進めようとしている。庶民にとって資産所得などは無縁だが、投資を増やすことは、自民党応援団である財界にとっては歓迎すべきことだろう。ここでも一体誰のための政治なのか、である

 岸田さんに、周囲の声を気にせず自分がやりたいことは何なのか。それを見せてほしい。そして、もっと国民のほうを向いて、国民の声を聴いて、国民のための政策を打ち出して欲しい。岸田さんにそれを望むのは無理なのだろうか。