岸田政権の問題点

 岸田政権というより岸田首相の問題点は、やると決めた政策については、当初の目標を達成するためには手段を択ばない、というより、詳細な説明はせず、達成まで一気に走る。途中で問題点の検証することもないし、見直すこともしない。手直しもせず当初の思いそのままで突っ走る。

 ただし、無関心のことについては徹底してあなた任せ。自らリードすることもなく、しかし、やってる感だけはアピールし、詳細な説明ではなく思いついたかのような各種項目を並べただけのような、途中経過のような話だけが出てくる。そこにはリーダーシップもなく、やる気の無さが丸見え。

 これは防衛費予算と少子化対策予算に象徴される全く異なる岸田さんの取り組み姿勢である。これに限らず、広島でのG7が如何に成功したかを開催前から前振りで懸命にアピールしてきた。一方でその間に、2年前に与野党合意のもとにまとめたLGBT理解増進法案を、自民党内のいわゆる保守派が納得せず、改めて党内で議論し直し修正案を作成。十分に骨抜きになったとしてこの修正案を自民党案にするという。

 この間、岸田さんは法案の内容には踏み込まず、G7の期間中に国会に提出するようにだけを指示したという。法案の中身はどうでもいい、G7でLGBTの議論になった時に、日本も現在国会で審議中と言えるようにして欲しい、というまことに姑息な自分勝手なことでしか考えられない。これが日本の首相かと思うと情けない。やはり衰退途中国である日本にはG7のメンバーは荷が重いのだろう。

 G7の陰に隠れて国会では、防衛費増額の財源確保に向け、防衛力強化資金を創設するなどとした法案、いわゆる防衛財源確保法案が衆議院財務金融委員会で採決、可決され、本会議で採決の上衆議院を通過する見通しという。その一方で、少子化対策予算は特別会計を作成し、そこで一元管理する。その財源は社会保険料の上乗せを検討している、という段階まで。中身については話は色々出るが、まとまったものは無い。

 岸田内閣の下では、税金等の徴収目的とその使途が全くいい加減で、方法はどうあれ、集めた金をどう使おうと内閣の自由だろう、とばかりに勝手放題である。東日本大震災の復興のための復興特別税の一部を、防衛費の増額に使うことを決めた。また、社会保険料は文字通り年金や健康保険、失業保険や労災保険の労働保険の財源の為の民間から集めた保険料である。ここに少子化対策費用を負担させようという。社会保険料に政策経費を負担させるなどという全く乱暴なことを平然と行おうとするとは。もはや政策経費とは何なのか、が分からずに政治を行っている低レベルな政治屋集団になってしまった。