岸田首相は何したいの

 総裁選の時には分配と成長を掲げ、平成の所得倍増とか言っていたような。総裁就任当初は金融所得課税の見直しで所謂1億円の壁について、税負担の公平性の観点から見直しを検討すると言っていた。しかし、富裕層や証券業界からの反発が出ると直に引っ込めてしまったし、併せて所得倍増も引っ込めてしまった。そして代わりに出てきたのが新しい資本主義とかいう訳のわからない言葉。どういうことなのか、その内容については未だに良く分からない。

 その後、所得倍増を引っ込めたままではまずいと思ったか、金融所得倍増のことだったといい始めた。所得倍増と金融所得倍増では意味するところが全く違う。所得倍増は金融所得倍増のことだったと言い張っても、言い替えがきくようなものではなく、悪あがき以外の何物でもない。素直に所得倍増はできない、と認めればいいものを、と思う。

 これが、岸田さんが内容が良く分からないままに使ってしまう、如何にも何か良い事のような気がするだけの言葉遊び、の始めだったのかもしれない。その後暫くは音無しの時期が続いたが、安倍元首相が亡くなると、国会での議論もなく突然国葬を行うと宣言。国内世論の賛否渦巻く中でも議論は一切無視。教皇実施した。これが岸田さんの、国民への説明はしない、国会での議論はしない、でも自分で決めたことは進めていく、という政治の進め方の始めとなった。

 こんな岸田政権に何か期待できるのだろうか。日本の今の状況は正に崖っぷちではないかと思われるが、その危機感はあるのだろうか。防衛力の増強だけを声高に叫んでいるが、それも大事かもしれないが、その前に、ということがあまりにも多いのではないか。そちらの目配りはどうなっているのだろうか。

 衰退途中国の日本のリーダーとして日本の行く末をどう考えているのだろうか。