岸田内閣の支持率

 最近の内閣支持率で、岸田内閣の支持率はずっと下落傾向が続き、最近の調査ではほとんどの調査で20%台となっている。岸田首相はこの支持率の低下をどう受け止めているのだろう。表向きは真摯に受け止めるとか言っているが、現実はそんなに甘いもんじゃない。

 首相になった当初を除き岸田さんは、国民にとって如何に日本という国を住みやすい国にするかという事より、如何に長く首相の座に座っていられるかという視点でずっと政権運営をしてきたように思われる。それが衆議院議員の任期が半分を過ぎたこの秋以降顕著に表れた。

 国民の支持を得られそうな政策を打ち出して支持率を上げ、衆議院を解散し、その実績をもって来秋の総裁選で再選を果たし、長期政権を目指そうとする岸田さんの青写真が国民に真意を見透かされてしまった。それで国民の支持が離反し、現在の支持率の低下に反映されいる、という事ではないか。

 最大の支持率回復の目論見が外れたのは減税への拘りだろう。増税めがねと呼ばれるのを嫌い、減税を打ち出せば国民の支持が得られるのではないかと減税に拘ったが、さすがに後に増税が待っている減税などには国民は見向きもせず、かえってその下心に拒否反応を見せたのが、最近の調査でのこれまでの最低の支持率に表れたのだろう。

 岸田さんは長く首相の座に座っていたいがために、場当たり的な目先の政策は並べるが、その先3年後、5年後この国をどうしたいのかが見えない。それどころか最近は、国民の支持がなかなか得られなければ、国民よりも、何とかして、いわゆる保守派からの支持を確保しようと必死の様相。憲法改正を進めようとか、軍備の増強や、周辺国との軍事同盟の強化とか、軍事国家への道に進もうという感じになってきた。来秋の総裁選に勝つためには手段を択ばず、といった感じ。

 岸田さんにとって如何に首相の座が大事でも、そこに拘って、長期的な視点に欠けた場当たり的な政策ばかりでは、国民にとっては百害あって一利なしである。将来像が描けなければ、今なんでこの政策なのか、という事の合理性があるのかどうかわからない。政策がブレるというより、政策の妥当性が理に合わない今のやり方では、支持率が下がるのは仕方がないのではないか。それだけではなく、このままでは日本の将来は暗澹たるものになる。