内閣改造は何のため

 

 13日の内閣改造直後の世論調査では女性大臣5人の評価は高かったが、15日に決定した副大臣政務官人事では副大臣26人と政務官28人の合わせて54人、そのうち女性の起用はゼロであった。これは自民党が政権復帰した2012年以降初めてという。しかも、岸田さんはこれが適材適所の結果だという。女性にその任に当たれる人はいないという事か。大きく扱われる大臣人事では女性を重視したように見せたが、本質的には女性活躍は当てにしていないという事か。

 この後の世論調査の結果がどう出るかわからないが、先の世論調査の結果では今回の改造は内閣支持率にはほとんど影響していないようだ。では、来年秋の総裁選対策は。岸田さんはここに最大に注意を払ったと見えて、同じ宏池会のナンバー2林外務大臣を閣僚や、党の要職から外し、力を削ぐことに尽力。次期総裁候補の党内最有力である茂木幹事長は、留任させて在任中の立候補の動きに制約をかけようとしている。

 その他では、留任した閣僚の殆どは現在の岸田さんが頼りとする各派閥からで、主要ポストの継続で支持が離反しないように繋ぎ止めを図ったようだ。 それは党人事も同様で、来年秋の自民党総裁選に向けた体制を整えた、という感じしかしない。更にその他の各大臣も、各派閥の勢力に合わせた配分となっていて、そこには国民生活に対する思いや、まともな政治への取り組み、現在の問題解決に取り組む姿勢は微塵も感じられない。

 今回の内閣改造で、岸田さんが政権の延命が第一、国民のことは二の次三の次という事が一層はっきりした。このまま岸田内閣が続くと、国として衰退途中から反転することはますます難しくなりそうだ。