強権発動連発の岸田政権

  国会での議論や国民への説明もなく、国葬の実施を発表。かと思えば、閣議決定から一気に防衛費2倍へ突き進んだ。その後、新型コロナでは一言も発することなく、何もしないを通した。暫く大人しいと思ったが、その後のマイナカードでは2兆円超の税金を投入し、取得率アップを目指したが、なかなか思い通りにはいかず、更に、国民必須の健康保険証を廃止し、任意取得のマイナカードに一本化するという、任意取得を発行義務廃止に優先させるという、国民皆保険制度を破壊するような方針を、何の議論もなく一方的に強行している。更に、原発処理水の海洋放水も、関係者の理解なしには如何なる処分も行わない、と文書まで交わしながら、勝手に一定に理解は得られていると述べ、期日ありきで海洋放出に踏み切った。

  安倍政権中期以降顕著になってきた、自民党政権による国会軽視は目に余るものがある。何事によらず議論をしようとしない。自民党による一党独裁国家であるかの如く、内閣の一方的な決定で政策決定が行われていく。国権の最高機関である筈の国会を、単なる手続き的な機関で、内閣で決定された事項の追認機関に貶めてしまった。岸田内閣においては特に顕著で、国会でまともな議論をしているのを聞いたことがない。野党の質問に対しては逃げや逸らしの答弁に終始し、議論にならない。というより議論を避ける方向での答え方しかしない。

 最近は支持率が低迷していて、何とか浮揚させたいとの思いか、実績のアピールには積極的であるが、一方的発信のみである。重要事項の決定の後には、質問を受けたくないのだろう、記者会見もせずやり過ごす。もしかして、自分の決定事項が、これまでの国にが進んできた方向からの転換であるとか、日本の将来に大きな影響を及ぼすとか、その判断ができないので、改めて記者会見などする必要性を感じない、という事なのかもしれない。そうだとすればそれはそれで恐ろしいことである。

  首相の地位を如何に守るかだけしか頭にない岸田さんにとって、政策すら支持率回復の手段にしたいとの思惑が透けて見える。そこには国民にとって将来の希望が持てるのかとか、現在の暮らしが少しでも楽になる期待が持てるのか、そのような気配は見えない。相変わらずの物価上昇で、実質賃金は1年以上下がり続けているにもかかわらず、有効な手は打てていない。強権発動して、例えば諸外国で実施されているような消費税率の引き下げとか、税金を取ることばかりでなく、税金を引き下げることも必要と思うがその気配はなく、それどころか、少子化対策の財源として社会保険料に上乗せして、更に税金を取ろうとしている。

 岸田さんは日本がどうなればいいと思っているのだろうか。抽象的な話は必要ないから、具体的な話を聞いてみたいものだ。