日本の政治は大丈夫?

 日本はいつから専制国家になったのだろう。岸田首相の最近の政策の進め方を見ていると、まるで専制国家並みと思えることが多い。3年間の国政選挙の空白期間を利用して、専制体制の基礎を作ろうとしているのだろうか。

 特徴的なのは、進めたいのかどうかわからないが、少なくとも自民党内で推進派が多いか、反対があまりない政策についは、強引に、ルールでさえ無視して進めようとしている。こうした政策は、安全保障関連3文書改定と防衛政策の大転換と、それに伴う防衛予算の対GDP比2%への倍増、原発の新増設や運転期間の延長、細かくはマイナンバーカードと健康保険証の紐付け、などである。

 反対に、自民党内で保守派の支持が得られないとか、反対派や消極派が多いとか、本気ではないがやってる感を出すためだけに掲げた政策、などについては政策を進めるための党内議論さえ進めようとしない。こちらの政策は、岸田さん言うところの異次元の少子化対策がその代表、その他旧統一教会問題や、選択的夫婦別姓、LGBTQ差別禁止、同性婚、など。

 先ず、岸田さんが進めると決めた政策については、その進め方があまりにも強引であること。防衛関連3文書と防衛費のGDP2%への増額については、昨年12月の臨時国会が閉幕するのを待って、急遽臨時閣議を開き閣議決定をした。閣議決定の前に国民や国会での説明もなく、いきなり閣議決定したのは、国民や国会での説明などはする必要ないとの判断なのだろう。

 それなのに、年が明けた1月の訪米時には、バイデン米大統領にはきちんと説明してきている。米国のお墨付きがあれば、国内はどうでも良いということか。防衛費の財源については、自民党内への説明すらなかったようだ。訪米からの帰国後、自民党内で増税による防衛費の増額に異論が噴出した。まさしく岸田さんの独善断行だったのろう。

 これまでの日本の防衛政策の基本方針を変える重要方針の変更である。国会での説明だけでなく、国民への丁寧な説明も当然為されるべきものだろう。外交政策は内閣の所管事項だから閣議決定があればそれで充分、後は国会に任せれば良い、というものではないだろう。なぜ変更しなければならないのか。その財源はどうするのか。説明を要することはいろいろあると思うが。国会での質疑で、的外れの官僚の作文答弁で事足れり、で済む話ではないだろう。

 国民や国会を無視し、自分達で勝手に決めて国会に提出し、内容を修正する気もなく、まともな議論もせずに議決して、国会での議論の上で議決をしました、と強弁するのだろう。これが民主主義といえるのだろうか。