危険な岸田首相

 安倍元首相の銃撃から1年を経過して、岸田首相の首相としてのこの1年を見てみると、この人は何処へ行こうとしているのだろう。自分のやっていることが分かっているのだろうか。大丈夫なのだろうか、と心配になってくる。

 これまでの先人が作ってきた日本という国のありようを、次々と方向転換させてきた。勿論その底にあるのは、政権基盤の弱い岸田さんが長く政権を維持したいという考えから、安倍政治の路線継承、更にその先へと拡大させてきた感がある。岸田政治は今や、亡くなった安倍さんへの忖度に終始し、自民党ポピュリズムの様相を呈している。

 岸田内閣は、先人が作り上げてきたこれまでの平和国家から、安倍さんが転換の契機を作った軍事国家へ大きく方向転換させようとしている。日米安保から更に進めてNATO加盟まで視野に入れているようだ。岸田さんは防衛費をNATOの基準に合わせ、GDP比2%に合わせて倍増させる方針を決定。先日はNATO首脳会議があると、前回各地で豪雨による被害が頻発している中、この首脳会議に出席すべく出かけて行った。NATO東京事務所開設を切望したが、フランスなどの反対から、この件は見送りとなったが、まだ諦めてはいないようだ。

 岸田さんとしては、日本の軍事国家化以外にあまり関心は無いようで、少子化対策にも掛け声程度で真剣味は感じられず、ましてや夫婦別姓問題、LGBTQ問題、旧統一教会問題などは声も出さず、そんなことがありましたね、という感じ。内政においても、新型コロナ禍の最中は何の発信もせず、5類に引き下げた時だけやれやれという感じで記者会見した程度。そのコロナは再拡大の様相を呈しているが。

 首相になった目的もなく、なんとなくで軍事国家化に突き進んでいる岸田さん。行く末の明確なビジョンもなく、進んでいくことに自身で不安感は無いのだろうか。このまま進んで行くと日本はどんな国になると想像しているのだろうか。おそらくこれまでの日本という国から大きく舵を切ってしまったという自覚もないのだろう。その結果、世界から見える日本という国が大きく変貌し、外交政策にも影響が出てくるのだろう。